2018-01-01から1年間の記事一覧

新古今の景色(5)長命な歌道家(3)御子左家(2)天才歌人と天才絵師の母

藤原 俊成 91歳 皇太后宮太夫従三位 72 定家(俊成の息子) 80歳 権中納言正二位 46 美福門院加賀(定家の母) 70歳 美副門院女房 1 藤原隆信(加賀の息子) 64歳 右京権太夫正4位下 3 ここでは「新古今和歌集」に1首入集した藤原俊成の妻で…

新古今の景色(4)長命な歌道家(3)御子左家(1)後鳥羽院歌壇をリード

御子左家は藤原俊成とその息子定家の確立した和歌の師範の家筋。俊成は古今集の正調を継ぎながら幽玄美を追求し、定家は父の歌学をさらに発展させ、慈円、藤原良経とともに新古今風を確立して清輔・顕昭などの六条藤家を圧倒した。 因みに御子左とは、藤原道…

新古今の景色(3)長命な歌道家(2)六条藤家

「六条藤家」は白河法皇の乳母子として権勢をふるった藤原顕季を祖とする歌道の家で、その顕季は宮廷歌壇の庇護者となり、人麻呂影供(※1)を創始してその継承を広めつつ「歌の家」を確立して顕輔・清輔・顕昭らを輩出した。 顕季の息子で清輔の父でもある…

新古今の景色(2)長命な歌道家(1)六条源家

『新潮日本古典集成 新古今和歌集 下』巻末の著者略歴を一覧して見えてきたのは、総じて歌道家(歌の家)の一族の長命さである。 ここでの歌道家(歌の家)とは、中世に宮廷の諸領域で形成された「家」の一つで、歌道家は天皇・上皇の命を受けて勅撰和歌集の…

新古今の景色(1)90歳以上の長寿歌人

私が『新潮日本古典集成 新古今和歌集 上・下』を手にして、真っ先に感じたのは、あの時代に随分長生きした歌人が多かったのだなという感慨だった。 で、どれくらい長生きをした歌人が多いかの把握することにしたのだが、まずは当時の日本人の平均寿命を知る…