2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(35)院政期(10)源頼政(10)歌筵映えの人・恋歌の名手

鴨長明は歌人としての源三位頼政を藤原俊成と彼の師・俊恵が高く評価していることを『無名抄』に記しているが、まずは『千載和歌集』で頼政の歌を14首採用した藤原俊成の頼政評を採りあげたい。 「55 俊成入道の物語 【五条三位入道(藤原俊成)が申され…

新古今の景色(34)院政期(9)源頼政(9)平家物語(2)源平辞世の句

『平家物語』第三十八句「頼政最後」は頼政の死の場面を次のように述べている。 〔宮(以仁王)を南都へ先発させ申して三位入道(頼政)以下は平等院の外に留まって敵を近づけぬように矢を射るものの、三位入道、八十歳になって戦をして右の膝口を射られて「…

新古今の景色(33)院政期(8)源頼政(8)平家物語(1)昇殿の歌・三位の歌

私の一方的な見方かもしれないが「平家物語」には源頼政について語る部分が多いように思われる。何故だろう。語り継ぐ琵琶法師達の中に頼政に感情移入した者が少なからずいたからではないか。 源頼政(1104年~1180年)は、武将としては破格の三位(…