2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(52)院政期(27)歌林苑(17)二条院讃岐

わが袖は 潮干(しほひ)に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾くまもなし 【私の袖は、引き潮の時にも見えない沖の石のように、 あの人は知らないでしようが 悲しみの涙で乾くひまもありません】 上記は、二条院讃岐が二条院の内裏歌壇にデビューし内裏御会な…

新古今の景色(51)院政期(26)歌林苑(16)平経正(2)

平経正の父平 経盛(たいら の つねもり)は、平忠盛の三男で清盛の異母弟に当たるが、生母の身分の低さもあって当初から異母弟の教盛・頼盛よりも昇進は遅かったが、父・忠盛から歌人としての素養を受け継ぎ、仁和寺御室守覚法親王(鳥羽天皇第五皇子)の仁…

新古今の景色(50)院政期(25)歌林苑(15)平経正(1)

平忠盛の三男で清盛の異母弟修理太夫(しゅりのだいぶ)経盛の嫡子・皇后宮亮経正は、平家一門の都落ちに際して、幼少時に過ごした仁和寺で御室(※)覚性法親王(鳥羽天皇第五皇子)に琵琶の才能を認められて賜った名器「青山」を返上するために仁和寺に駆け…

新古今の景色(49)院政期(24)歌林苑(14)源仲綱

源頼政の長男・仲綱は父と共に治承4年(1180)に宇治川の合戦で敗死して55才の生涯を終えたが、若い頃から父の薫陶を受けて歌道に勤しみ幾つかの歌合に座を連ね『千載和歌集』に16首入集している。 ここでは父子敗死の前年、治承3年(1179)10月18…