2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(21)女房文学(14)赤染衛門(6)歌に見る夫婦愛

赤染衛門は貞元元年(976)頃に出仕を通して大江匡衡朝臣と出会い結婚したとされるが、その頃、匡衡の従兄弟の為基に淡い恋心を抱いていた赤染衛門に匡衡を強く薦めたのは彼女の母であったことは前回述べた。 ここでは、共に「中古三十六歌仙」の一人に選…

新古今の景色(20)女房文学(13)赤染衛門(5)初出仕と結婚

さて、赤染衛門の人生を、彼女の家集『赤染衛門集』『赤染衛門家集』に採集された歌も挿入しながらたどってみたい。 貞元元年(976)左大臣源雅信(道長の室・倫子の父)邸に20才で初出仕。 赤染衛門の初出仕の主は、宇多天皇の曾孫に当たる誇り高き左…

新古今の景色(19)女房文学(12)赤染衛門(4)出生

清少納言、紫式部、和泉式部と共に摂関期の後宮文学を彩った赤染衛門の注目すべき点は、女房というキャリアをほぼ定年まで勤め挙げた一方で、良妻賢母として夫や子供に情を尽くし、かつ、晩年は85才に至るまで第一線の歌人として活躍したところにある。 ま…