2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(101)院政期(76)寂蓮の遁世(14)『右大臣家歌合』

出家後の寂蓮が後鳥羽院に召されるまでに九条歌壇で出詠した主な歌合は次の通りである。 ①治承3年(1179)『右大臣兼実家歌合』 この間に都の周辺、高野山、出雲大社などへ詠歌行脚 ②建久元年(1190)『左大将良経邸花月百首』 この間に東国地方、…

新古今の景色(100)院政期(75)寂蓮の遁世(13)『別雷社歌合』

寂蓮は出家直後から福原遷都の前後の頃までは柿本人麻呂の墓所など都の周辺の和歌に関わる遺跡や歌枕の名所巡り、晩年の建久1年から2年にかけては出雲大社や東下りなど漂泊の旅を通して歌作りに磨きをかけていたが、他方では遁世歌人という自由な立場を得…

新古今の景色(99)院政期(74)寂蓮の遁世(12)『住吉社歌合』

『住吉社歌合』は寂蓮が出家する前の嘉応2年(1170)10月9日に、藤原敦頼が和歌の神社として尊ばれていた住吉社の社頭で催したもので、「社頭月」「旅宿時雨」「述懐」の三題を、定長を含む歌人50人が番えて、各歌題25番、計75番を競った歌合…

新古今の景色(98)院政期(73)寂蓮の遁世(11)『平経盛朝臣家歌合』

在俗時代の寂蓮が詠進した主な歌合は、『平経盛朝臣家歌合』、『実国卿家歌合』、『住吉社歌合』、『公通家十首会』、『宰相入道観蓮歌合』、『後徳大寺実定家結題百首』などが挙げられるがその中から『平経盛朝臣家歌合』と『住吉社歌合』を採り上げてみた…