2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧
大井川船に乗り得て渡るかな(残23) 西住付けけり 流れに棹をさす心地して 心に思ふことありて、かく付けなるべし と、ここで、船が岸を離れて西行と西住は空仁と別れるはずであった。 が、西行と西住の出家への思いを見抜いた空仁から、出家を促す意味を…
『千載和歌集』 巻第十七 雑歌中 題不知 1143 大井河となせの滝に身を投げて早くと人にいはせてしがな 【大堰川の戸無瀬の滝に投身して、あの人は早く世を捨てたと 人に言わせたいものだ】 上記は空仁法師(※1)の『千載和歌集』入集歌の一首であるが、…
ここでは、死後に『千載和歌集』に思いも掛けず多くの自作歌を採り入れてくれた撰者藤原俊成の夢に現れ、感涙で喜びを表現した道因を偲びながら、『千載和歌集』及び『新古今和歌集』から幾つか味わってみたい。 『千載和歌集』 巻第一 春歌上 花の歌とてよ…