2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(48)院政期(23)歌林苑(13)源頼政(2)

音にのみ聞き聞かれつつ過ぎ過ぎて 見きなわれ見きその後はいかに(頼政) 【再会を待ち望んで、堪えがたい思いをしております】 恋ひ恋ひて見きわれ見えきその後は しのびぞかぬる君はよにあらじ(空仁) 【しかし、あなたはそれほどでもないのではありませ…

新古今の景色(47)院政期(22)歌林苑(12)源頼政(1)

清和源氏の棟梁で、治承4年(1180)に以仁王を奉じて平家に謀叛し、77才で敗死した源頼政(※1)については既に詳しく採り上げているので、 https://k-sako.hatenadiary.jp/entry/2020/03/25/153946 https://k-sako.hatenadiary.jp/entry/2020/05/29/2139…

新古今の景色(46)院政期(21)歌林苑(11)賀茂重保(2)

俊恵や祐盛とも親交を結び、歌林苑と深く関わった賀茂重保の歌人としての重要な実績の一つに、彼が神主を務めた上賀茂神社に月詣でする人々の歌を中心とした『月詣和歌集』の編纂が挙げられるが、その基礎となるものとして、同集の序に「しかれば、いそのか…

新古今の景色(45)院政期(20)歌林苑(10)賀茂重保(1)

『新古今和歌集』 巻第十七 雑歌中 俊恵法師身まかりてのち 年ごろ(長年)つかはしてける薪(たきぎ)など、 弟子どものもとへつかはすとて 1667 けぶり絶えて 焼く人もなき 炭竃(すみがま)の あとのなげきを たれかこるらむ 【煙も絶えて、焚く人も…