2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(144)院政期(119)女房歌人の発掘(18)俊成卿女(13)姪に対する定家の警戒心(2)

「皇太后宮太夫俊成卿女」あるいは「俊成卿女」という女房名は、宮内卿・越前・大輔といった一般的な女房名と異なり、御子左家の、さらには、藤原俊成の後継者を示す家名に基づくもので、俊成卿女にとっては彼女の存在そのものを意味し、御子左家のあるいは…

新古今の景色(143)院政期(118)女房歌人の発掘(17)俊成卿女(12)姪に対する定家の警戒心(1)

健保元年(1213)年に43歳で出家した俊成卿女は暫くして洛中嵯峨に隠棲するが、それは、夫・通具と彼女の妹が相次いで他界した後の嘉禄3年(1227)頃と思われ、当時の定家の『明月記』には、その頃の俊成卿女について「嵯峨禅尼」あるいは「中院尼上」と…