2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(32)院政期(7)源頼政(7)内昇殿も喜び半ば

源頼政は自らの出世・昇進についての心情を極めて率直に詠む人らしく家集『頼政集』から幾つか採りあげてみたい。 先ずは、仁安2年(1167)に正五位下から従四位下に加階昇進したときの喜びを、 正下の加階して侍りし時 右馬権頭隆信(※1)がもとより…

新古今の景色(31)院政期(6)源頼政(6)内昇殿への渇望

源頼政は白河院政が開始されて19年目に当たる長治元年(1104)に仲政を父として誕生したが、参議以上の官、あるいは従三位以上の位階の補任を記した『公卿補任』によると、頼政の官僚としての経歴は白河院の時代に六位の判官代からスタートし、崇徳天…

新古今の景色(30)院政期(5)源頼政(5)歌合

源頼政は大小取り混ぜて様々な歌合に積極的に参加して歌人としての名を広めたとされるが、主なものは前回述べた寂然の父・藤原為忠が催した歌合を初め下記のようになる。 1 丹後守為忠朝臣家百首 2 木工権頭為忠朝臣家百首 3 右衛門督家歌合 久安5年6月…

新古今の景色(29)院政期(4)源頼政(4)父・仲政(2)父子相和す!

次の歌は寂然法師(※1)と源頼政の父・仲政との間に交わされた贈答歌である。 父なくなりて後、常盤の里に侍りける比、やよひばかりに源仲正(仲政)が許に遣しける 寂念法師 〔春までもとはれざりける山里を 花さきなばと何思ひけむ〕 返し 仲政 〔もろとも…