2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(69)院政期(44)歌林苑(34)空仁(4)最晩年の西行の評価

空仁の消息を伝えるほぼ唯一とも云える西行の語りを記した『残集』から、あくまでも西行の視点で空仁像を描いてきたが、最晩年における西行が空仁を偲んで語った次の言葉はなかなか意味深長である。 申(まうし)続くべくもなきことなれども、空仁が優(いう…

新古今の景色(68)院政期(43)歌林苑(33)空仁(3)西行の出家

出家前の西行と西住が空仁を訪れて過ごした法輪寺は、嵯峨の大井川の近くにある虚空蔵菩薩を本尊とする寺で、この時、空仁が籠もって法華経の暗誦に励んでいたように、法輪寺は初学の人が籠もって学問の成就を祈る寺としても知られていた。 ところで、出家前…