2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(118)院政期(93)小侍従の遁世(3)恋模様(1)後白河院

小侍従 泊まりゐて 返らぬけふの心をぞ 羨むものと我はなりぬる 【女院のもとにお泊まりになったまま、仙洞御所にはお帰りにならない 院のお心を、ただ羨ましくのみみております】 後白河院 世の常の栖(すみか)を洞(ほら)の内にして 返らむ人と君をなさ…

新古今の景色(117)院政期(92)小侍従の遁世(2)恋歌

前回述べた『平家物語 巻第五 月見』が伝える「待宵の小侍従」の名が決定的になった頃の小侍従は二条院に出仕した40歳前後の出来事と考えられるが、それにしても、二条帝后太宮の御前(おまへ)の『待つ宵と帰る朝(あした)とは、いずれか あはれは まさ…