2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の景色(111)院政期(86)寂蓮の遁世(24)『三体和歌会』(1)長明の感謝

『三体和歌会』は、後鳥羽院の主催で建仁2年(1202)3月20日に仙洞御所で催され、連なった歌人は、後鳥羽院・良経・慈円・定家・家隆・寂連・長明の7人で、雅経と有家も召されたが病気を理由に辞退している。 この『三体和歌会』に関しては、後鳥羽…

新古今の景色(110)院政期(85)寂蓮の遁世(23)『撰歌合』(3)結題の名手

月をテーマとした「結題(むすびだい)」十題五十番で競われた『撰歌合』で、寂連の詠歌は「月多秋友」「月前松風」「河月似氷」の3題が撰歌され、慈円、保季、通具に対して勝3の成績であった。 その中から慈円と対して勝ちとなった「月多秋友」の歌を採り…

新古今の景色(109)院政期(84)寂蓮の遁世(22)『撰歌合』(2)働く海人

次に、寂蓮の歌は登場しないが、新古今時代の転換期を象徴するとされる「海辺秋月」の題詠歌から「働く海人」をモチーフにした3人の詠歌を採り上げたい。 先ずは二条院讃岐と番えて勝ちとなり、後に『新古今和歌集』(秋上・四〇一番)に入集した鴨長明の次…